かつて名古屋城の地下には黄金が敷き詰められていると言い伝えが残る井戸がありました。それが黄金水(おうごんすい)という井戸です。太平洋戦争の空襲で焼けましたが、井戸があった場所に黄金水の井戸が復元されています。伝説は本当なおでしょうか?
説明板をチェック!
黄金水の説明板には次のように書いてありました。
黄金水井戸枠 模型
大天守の地階北東隅には、非常時の備えとして井戸が彫られ、底は純金と伝えられていた。昭和20年(1945)の空襲により井戸枠も焼失したが、昭和34年(1959)、天守閣再建にともない井戸穴が調査され、井戸底は地階床から20メートル下にあり金ではなく石が詰められていたことが明らかになった。井戸穴は調査後埋め戻され、今見ることはできない。この井戸枠は、戦災焼消失前の写真類をもとに復元したものである。
この説明の補足ですが名古屋城には昔から埋蔵金伝説があり、それがこの井戸の中にあるのでは?それが黄金水の名前の由来だと信じ続けられました。でも実際に名古屋市が天守を復興する時に調査すると黄金はひとかけらも出ませんでした。
【黄金】水の意味とは?
このことから黄金水という名前はなぜ付いたのか?という疑問が残ります。これは仮説ではあるのですが、もし名古屋城が敵に攻められ籠城する事になった時、一番大事なのは米ではなく水ですから、黄金みたいに貴重な飲料水という意味でこの名前が付いたのかもしれません。
また同じ様な事例で、犬山市には犬山城の前身の城・木之下城跡が犬山駅の近くに残っていますが、そこにはどんな日照りでも枯れなかったといわれる金明水(きんめいすい)の井戸があります。また大阪城にも黄金水という同じ名前の井戸があることから、重宝される意味でこの名前が付いたのではないかと思います。