名古屋城内には豪快な堀と石垣が残されています。堀の中には基本、なにもありませんが、よく見ると何か動く物体を発見!
なんと鹿です?!なぜ鹿が名古屋城の堀の中に居るのか?その理由は名古屋城が築かれた江戸時代初期にさかのぼります。
実はペットだった鹿
名古屋城が築城されたのは江戸時代初期。そこから城主(尾張藩主)が城内に住むのですが、いつの頃からか城内で鹿をペットとして飼う様になりました。鹿たちはその後、順調に増えていきました。よほど居心地がよい環境だったのでしょう。でもここで問題が発生したのです。
そして堀へ
城内にほぼ放し飼いだった鹿たちは、木々の新芽を食べまくりました。その結果、城内の木が成長しなくなったのです。また発情期になると暴れて手に追えなくなることもしばしば。困った藩主と名古屋城内の人たちでしたが、さすがに鹿を殺すわけにもいかず、悩んだ結果、鹿を堀の中で飼うことになりました。
なぜ堀だったかという理由は、鹿は高くジャンプするので高い柵や広い小屋が必要です。でも名古屋城の堀の中なら、鹿もジャンプで飛び越えることもできません。でも堀の中はかなり広いので窮屈というわけでもないので、その理由で堀の中で鹿が飼われる様になりました。
東山動物園から借りることに
時代は流れ太平洋戦争後、名古屋城は観光地として整備されましたが、客寄せのためにかつて堀の中で飼っていた鹿を再現しようと、東山動物園(名古屋市東区)から鹿を3頭借りました。その結果、1970年代には56頭にもなりましたが、その後少しずつ数を減らして2013年には2頭に。それからまた鹿を借りるなど繰り返して現在に至ります。
私の感想
名古屋城の鹿は単に客寄せというわけではなく、歴史の再現でもあるのですね。また初めて名古屋城に来た方にとって、この堀の中の鹿はかなりのインパクトだと思うので、旅の思い出になると思います。これからは鹿も増えるとよいですね。