名古屋城本丸御殿になぜニワトリがいる?上洛殿の諫鼓苔生すの意味とは

名古屋城本丸御殿を奥へ奥へと進むと太鼓に乗った変わったニワトリの彫刻があります。これは単なるデザインではなく、藩主にとって重要な意味がある鶏なのです。この鶏を諫鼓苔生す(かんこ こけむす)といいます。

どんな意味?

まずこの鶏が乗っている太鼓は諫鼓(かんこ)といって、古代中国の故事に出てくる太鼓です。諫鼓は昔の中国で、その国の王が正しくない政治を行っていた時、自分たちの王(君主)に諫言するため民衆に打たせる太鼓のこと。つまり諫言の太鼓ということ。

王(君主)が正しい政治、民衆に優しい政治を行っていた場合、別に諫言はしなくて良いのです。だから太鼓を打ち鳴らすことはないですよね。その諫言の太鼓が苔が生すまで鳴らす必要がなく、鳴らない太鼓なので鶏も平気で上ってる…それくらい善政を続けるという意味の彫刻です。

諫鼓苔生すはどこにいる?

名古屋城本丸御殿の諫鼓苔生すの彫刻欄間(ちょうこくらんま)がある場所は、上洛殿の一之間(いちのま)です。上洛殿は本丸御殿の中でも将軍の寝所に近い奥にあります。上洛殿の一之間に来た時は、是非この太鼓の上に乗った諫鼓苔生す(かんここけむす)をチェックしてみてください。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする