屋根神様が小牧のほか名古屋市円頓寺近くの四間道や美濃路にある理由とは

かつての名古屋城の城下町だった名古屋市西区円頓寺近くの四間道(しけみち)近くを歩いていると、民家の屋根に神棚みたいなものが乗っかってるのを目にします。じつはこれ、屋根神様(やねがみさま)というものなのです。なぜ屋根に神様を祀るのかという理由、そしてどんな神様が祀られているのかを分かりやすく説明します。

なぜ高いところなの?

屋根神様は愛知県西部の尾張地区で多く目にします。その理由はかつて水害に遭いやすい土地だったからです。

国土地理院地図の色別標高図で名古屋城の西側を見てみると、低い土地になっていることがわかります。実際に平成十二年(2000)に東海豪雨が起き、水害に遭ったのも名古屋城より西側の地区でした。

もし地面の上に神様を祀る社(やしろ)があると水害時に流されてしまうので、流されにくい高い場所、つまり屋根の上などに祀られる様になって、屋根神様の信仰が始まりました。

どんな神様が祀ってあるの?

屋根神様に祀られているのは主に次の3つです。

  • 津島神社(疫病除け)
  • 秋葉神社(火難除け)
  • 熱田神宮(武運長久祈願)

地区によって地元の氏神様が祀られる事があります。

四間道以外の屋根神様スポット

屋根神様といえば小牧市や名古屋市西区の四間道(しけみち)が有名です。しかし私の感想はそれ以外にも屋根神様スポットがあります。それが名古屋市西区枇杷島~清須市の旧街道・美濃路(みのじ)です。

この美濃路は東海道と中山道(なかせんどう)を結んだ街道で、東海道宮宿(熱田神宮があるとこ)から垂井宿(たるいしゅく:岐阜県垂井町)まで繋がっています。その途中である名古屋市西区枇杷島~清須市あたりが屋根神様スポットなのです。

旧街道・美濃路を歩いていると民家の屋根や高い場所に屋根神様を見ることができます。ここで気がつくのは、どの屋根神様も個性的だという点。似たようなものはあるものの、全く同じデザインのものではありません。大きさつまりサイズもいろいろです。

私の感想

今回、屋根神様を探して美濃路を歩いている時に地元のおばあさんに話を聞くことができました。その方によると太平洋戦争以前はもっとたくさんの屋根神様があったそうですが、戦後、維持管理や住人の流動、また信仰の薄れによって屋根神様は減っていったそうです。

私の感想ですが、今後、屋根神様は増えそうにもないので、今残っている社を見れるうちに見ておくのがよいと思いました。

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